新刊

[見つけた新刊絵本] おれさまはようかいやで(作:あんず ゆき,絵:あおき ひろえ,出版社:ぶんけい)

文=Pictio編集部

[見つけた新刊絵本]-- 小さいお子さんにとって、おばけや妖怪というのは、怖いけれど何なのか知りたいという、人類が発展してきた理由の1つであろう好奇心の原点ににある存在なのかもしれません。

 図書館などで読み聞かせを行うと、夜、トイレに行くのが怖くなるとわかっているのに、耳をふさぎながら聞いている子や、目をつぶって隣の子と手を握り、震えながら聞いているお子さんを見ると、人類が発達してきた理由はこれか、という気持ちになります。おそらく人類は古来から、不思議なものに対して好奇心を持ち続けてきたのでしょう。

おれさまはようかいやで おばけの絵本があるというのも、考えて見ると不思議です。最初におばけの絵本を作ったのは誰だったんでしょう? 一口にお化けの絵本といっても、面白い絵本から、怖い絵本まで数多くあります。せなけいこさんの絵本「 おばけえほん」のように、面白い絵本も多いので、普段読んでいなければ、たまに読んで見ると面白いかもしれません。

 さて、今回紹介するのは「おれさまはようかいやで」という絵本です。その名の通り、妖怪が主人公です。主人公は、緑色をしていて、とてもよくしゃべります。

 本文を見てみると、

“おれさまは、ようかいやで。ようかいのなかのようかいやで。

そやから、なんにでも ばけられるんやで”

と始まります。こういう絵本は、不思議なことに関西弁ですと、より雰囲気がでますね。そして妖怪は散歩にでかけて、あやしい奴に出会います。そのあやしい奴は木にひっかかかっていて、「おねがーい。たすけてー!」と叫んでいます。

 このあやしい奴を助けた妖怪は、あやしい奴としばらく一緒に暮らして、元の場所に帰る方法を考えるのですが・・・。

 人は他の人のために何かをするとき、驚くほど力を発揮することがあります。また、自分一人よりも、誰かと一緒にいるほうが楽しいことが多いし、寂しくないですよね。いつも一人でいるようかいが、そんなことを伝えてくれる絵本だと思います。

 絵に対して文章の量がやや多目でしょうか、年長さんくらいが対象になるかと思います。

 

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本の題名 おれさまはようかいやで
作者 作:あんずゆき、絵:あおきひろえ
出版社 文溪堂
出版日 2015年8月
価格 1500円+税
判型/ページ数 263×212mm/32ページ
対象年齢 年長さんくらいから
関連URL あんずゆき氏のebサイトあおきひろえ氏のサイト文溪堂

投稿日: 作成者: Pictio Editor カテゴリー: 見つけた新刊絵本

[見つけた新刊絵本] たびするおやま(作:ほんまわか,出版社:文研出版)

文=Pictio編集部

[見つけた新刊絵本]-- 自然の大切さを描いた絵本は、昔から数多く出ています。中でも、バージニア・リー・バートンの「ちいさい おうち」は、そういった中で最も有名な絵本でしょう。ちいさいお子さんに、「自然破壊はいけないことだ」と言っても伝わりませんから、絵で自然を破壊するとどうなるのか、ということを伝えるわけです。これができるのは、やはり才能だと思います。読者である、小さいお子さんたちの心に届かないと意味がないわけで、絵本を作るのは本当に難しいことだと思います。

image さて、今回、紹介する「たびするおやま」も、そんな自然ということを考える絵本の1つかもしれません。町の近くにあるちいさな 「おやま」は、ふもとの町と人々を見守ってきました。ところがまちが大きくなると、人は「おやま」にゴミを捨てたり、トンネルを掘ろうとしたりします。とうとう我慢できなくなった「おやま」は、立ち上がるとずんずん歩きだします……。

 文章や構成を見ていくと、「ちいさい おうち」をモチーフにしている部分はあると思います。でも、ページが進むにつれて、だんだん居心地がよい場所探しから、自分探しになってきています。自分がいることで意味がある場所を探すようになるんですね。

 山ですから、季節が秋になってくると、山の色も変わってきます。そのときに、「おやま」はふと、自分がいた場所を思い出すのでした。。。

 山が動くという発想は、なかなか面白いですね。結末に向かって、レールが敷かれている上をのんびりと走って行くストーリーで、小さいお子さんでも楽しめると思います。対象年齢は3歳くらいからでしょうか。やや文章が長いところもあるので、4歳から6歳くらいが主な読者になると思います。

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本の題名 たびするおやま
作者 作:ほんまわか
出版社 文研出版
出版日 2015年8月
価格 1300円+税
サイズ/ページ数 縦26×横21xm/32ページ
関連URL 文研出版

投稿日: 作成者: Pictio Editor カテゴリー: 見つけた新刊絵本

[見つけた新刊絵本]おおきなおおきなにんじん(作:刀根里衣,出版社:小学館)

文=Pictio編集部

[見つけた新刊絵本]-- 最近は、インターネットでも「親が読んであげるべき絵本」とか「親も一緒に楽しめる絵本」と、あの手この手で、絵本を読ませようとしますね。絵本は、強迫観念に駆られて読むようなものでもないと思いますが、どこかに絵本は良い物、読むべきもの、という概念があるからでしょうか。

image でも、こういう記事の場合、新しい絵本が取り上げられることはあまりありません。出たばかりの本は、評価が定まっていないからです。

 実際、今でも良い絵本はたくさん出ています。昔から読み継がれている絵本は評価が定まっており、安心して読むことができます。その一方、新刊絵本の良いところは、現在のお子さん達の感覚や価値観を反映している作品になっているという点でしょう。

 「絵本は成人式を迎えて一人前」とは、絵本を評価する物差しの1つですが、どれだけ良い絵本でも、出た直後は新刊だったことは忘れるべきではないと思います。絵本の評価は、読者が育てていくものですから。

 確かに、定番の絵本に比べ、新刊の良い絵本を見つけるのは、それなりに時間はかかりますし、「この絵本は読む価値があるのか」と悩むことはあるでしょう。でも、そうした作業の中から、お子さんが大好きになる絵本を見つけたときの喜びは、なかなか素晴らしいものです。

 とまぁ、自分で見つけましょうと言っていながら矛盾するようではありますが、また面白かった新刊の絵本があったのでご紹介します。タイトルは「おおきな おおきな にんじん」です。対象年齢は、1~4歳くらいになると思います。ストーリーは単純ですが、優しい感じで丁寧に描かれた絵と、短いですが伝わりやすい文章がマッチしています。明るい色遣いと、ちょっと楽しくなるので、昼間に読む本かな?

 うさぎのきょうだいが、おおきなにんじんを見つけます。そして、うさぎの兄弟は、みんなが、にっこりする使い方を考えます。さて、そこから空想の世界の始まり始まり。にんじんはヨットに、そしてひこうせんに、さらにはおはなばたけ、と次々出てくる世界が大きくて愉快です。なんでしょう、空想がどんどん どんどん広がって、さいごにパチンという感じでしょうか。

 最後まで読んで、あはっ、となる絵本ですね。

本の題名 おおきなおおきなにんじん
作者 作:刀根里衣
出版社 小学館
価格 1300円+税
発行日 2015年6月
対象年齢 1~4歳
関連URL 小学館

投稿日: 作成者: Pictio Editor カテゴリー: 見つけた新刊絵本