電子書籍
12月11日、ニンテンンドー3DSで、児童書や絵本など子ども向けの電子書籍サービスを開始
2013年12月11日、大日本印刷は任天堂の携帯ゲーム機「ニンテンドー3DS」を端末として使う、子ども向け電子書籍サービス「honto for ニンテンドー3DS」を開始したと発表しました。児童書や絵本などを端末で読むことができます。
他の電子書籍サービスと違うのは、子ども向けに特化している点ですね。サービス開始時には、世界や日本の名作など約200冊がラインアップしており、価格は100~1000円程度に設定されています。
利用するには、インターネットに接続できる環境が必要です。ニンテンドー3DSのHOMEメニューから「ニンテンドーeショップ」を起動し、電子書籍用ソフト「honto for ニンテンドー3DS」をダウンロードする必要があります。ソフトの価格は無料となっています。
フォーマットは、EPUBになっています。文字だけでなく、動画や音声などの入った本なども可能性としてあるということですね。元がゲーム機なので、そういった可能性は高そうです。
漫画などは、すでに3DSで提供されており、ユーザーは増えているといいます。文字ベースの児童書が、どれくらい利用されるのか未知数なところはあります。しかし、他の電子書店で児童書や絵本を検索すると、子ども向けとは思えない不適切なタイトルが出てしまうことも多いだけに、保護者としては安心して使わせることができるサービスになりそうです。
2013年12月11日 カテゴリー: 絵本関連のNews
[絵本関連のNews]National Literacy Trustが、英国の子どもは紙の本や雑誌を読むより、PCなどの電子機器で読む割合が高い、という調査結果を発表
2013年5月16日、イギリスのNPOである「National Literacy Trust」は、子どもが本や雑誌、新聞や漫画などを紙のメディアを通じて読む子ども達よりも、パソコンやその他の電子機器を使って読んでいる子ども達が、初めて多くなったという調査結果を発表しました。
National Literacy Trustは、子ども達の読み書き能力の向上を図ることを目的として、1993年にイギリスで設立された団体です。親と赤ちゃんとの会話の重要性を指摘したプログラムを作ったり、リテラシー能力向上を図るための情報提供や支援などを行っています。
2013年5月16日 National Literacy Trust Children’s on-screen reading overtakes reading in print http://www.literacytrust.org.uk/news/5372_children_s_on-screen_reading_overtakes_reading_in_print |
今回の調査は、イギリスに住む8歳から16歳の子どものうち、3万4910人に対して行ったものです。
それによると、調査対象となった子どものうち39%が、毎日、タブレットや電子ブックリーダーを使っており、紙を使って読んでいる子どもは28%に過ぎませんでした。そして過去2年間に比べて、電子書籍を読んでいる子どもは6%から12%へと2倍に増えた、としています。
そして、子ども達は、電子機器で読む方を好むと答えています。実際に52%がスクリーンで読む方を好み、紙が良いと答えたのは32%でした。
また、3割の子どもには、自分用の机がないにも関わらず、ほとんどの子どもの家庭にはパソコンが利用できる環境にあり、4割の子どもは、自分のタブレットやスマートフォンを持っているということです。
National Literacy Trustでは、こうした傾向が、子どもの読み書きするレベル、すなわち読解力に対して、潜在的に有害だと指摘しています。紙でも読み、バランスを取れと言っています。
興味深いことに、女の子のほうが男の子よりも紙で読むことをはっきりと好んでいるそうです。携帯電話、電子ブックリーダー、タブレットなど、どの機器においても女の子のほうが読む割合は高いそうです。
National Literacy TrustのディレクターであるJonathan Douglas氏は、「こういったIT機器が、若い人達の読み書きの発達と読む機会の中心にある。こうしたポジティブな影響を喜んで受け入れる。その一方で紙で読む機会を放棄すべきではない」と指摘し、「スクリーンで読む子どもたちのほうが、読むことを楽しむことが少なく、かつ熱心な読者は少ないことに気がつき、非常に心配している」と述べています。
今後は、どうして電子機器で読むほうが、読者の楽しみが得られないのか、などを調べて行く必要がありそうですね。感覚的には、何となく多くの人が感じていたことかもしれませんが。後ほど正式が報告書が出されるそうです。
文=Pictio編集部
National Literacy TrustのWebサイト
2013年5月17日 カテゴリー: 絵本関連のNews
電子書籍で一つ一つISBNを振るのかぁ
書籍の場合、本屋さんで売るためにはいくつか記号を付ける必要があります。一つは国際標準図書番号(Internatinal Standard Book Number)と呼ぶもので、一般的にはISBNという略称で呼ばれます。
よく本の裏表紙に「ISBN978-4-XXXXXXX」などと書かれているものですね。日本国内の場合、これに図書分類記号と価格コードをセットにして日本図書コードと呼びます。そして、その日本図書コードを2つのバーコードにしたものがJANコードと呼ばれます。本屋さんで、会計の時にバーコードを通していますが、これを読み取っているわけですね。
この前、このISBNコードを管理している日本図書コード管理センターの人と話をしていたら、今はISBNコードを取得しようとする人が増えていると言っていました。みなさん、米Amazonで売ろうとしているんですね。なるほどねー。登録料を払っても、Amazonで売りたいという気持ちはよく分かります。あとは、自費出版を手がける業者が増えていてその申請が多いとも。
確かに、世界最大の出版社に電子書籍で売ることができますよ、っていうのはすごいセールストークだしなー。お金がもらいやすいビジネスだろうな(お客さんがつけば)。
もっとも、すでに競争過多に陥っているようで、ある業者は1万円ほどで登録してくれるそうです。探したら数千円というのもありました。これは激安ですね。前は10万円とか30万円の世界だったと思うけど、もう出版ビジネスじゃなくて、手数料ビジネスの世界だな。
ISBNは、一つの書籍に対して一つの番号を割り振ります。これは、日本図書コード管理センターから業者番号などを付けます。書籍に付けている作業をしていて面倒だなーと思ったのが、電子書籍のフォーマットが違うと、異なるISBNを付与しないといけないこと。一つの書籍でも、端末が違うと3つも4つも必ISBNが必要になるってことですね。
これって、結構めんどくさいんですよね。以前、米国の出版社が汎用フォーマットを決めて、それにISBNを付与すればいいのではないか、という提案をしたそうですが、却下されたそうで。これ、通ってれば楽だったのになぁ。番号は有料で、ただで使えるものじゃないんだし。というわけで、どうして出版社がフォーマットの統一を求めるのかが、よく分かりました(他人事じゃない)
しかも、運用規定が紙と違う~(当たり前か)。昔、書籍の電子化に興味があって調べたことがあったので油断してました。今回も一応、きちんと規格を読み込んだ(つもりだった)のですが、驚いたことに、規格書の最後の最後のページに、「Web場のデジタルコンテンツに対するISBN付与の基準」という項目がありました。確かに詳細は58ページへ、とか書いてあるけどさー。そんなの最後の資料集に入れないで~。こういうのは、最初のページに載せておいてくれたまへ。
というわけで、土壇場で表紙のデザインを変更していたりします。
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