バレエ

[見つけた新刊絵本]バレエものがたり(再話:スザンナ・デイヴィッドソン、ケイティ・デインズ 絵:アリーダ・マッサーリ、訳:西本かおる,出版社:小学館)

文=Pictio編集部

 4 こちらの本は、他の記事との対になります。できれば、一緒にお読み下さい。紹介するのは、小学校1、2年生の女の子向けの児童書で、タイトルは「バレエものがたり」です。最初に読む児童書として「プリンセスものがたり」と並んで、おすすめです。同時に刊行されたのですが、プリンセス物語のほうが、年長さんのお子さんからでも読むことができるのに対して、バレエ物語のほうがちょっと難しいと思います。

image_thumb この本のサイズだいたいはA5サイズで、ページ数は95ページあります。1ページの文字数は、450文字程度。原稿用紙のだいたい半分です。すべての漢字にフリカナが振ってあり、文字は横書きです。

 対象は女の子になりますが、バレエや本が好きなお子さんなら小学校1年生から、十分読むことができると思います。

 こちらの本には、三大バレエである「白鳥のみずうみ」「眠れる森の美女」「くるみ割り人形」の物語が書かれているほか、コミカルな「ドン・キ・ホーテ」、古典バレエの「リーズのけっこん」まで、7つの有名なバレエ作品の物語が収められています。バレエを好きなお子さんは、背景などを知ることでさらにバレエに興味を持たれると思いますし、児童書を初めて手にとるお子さんにも、親しみやすいです。

収録されているお話し
ねむれる森の美女
コッペリア
白鳥のみずうみ
ラ・シルフィード
ドン・キホーテ
くるみわり人形
リーズのけっこん

 一つ一つのストーリーは、不要に省略されることなく、しっかりと書かれています。文章だけだと、読むのに疲れてしまうので、大きな挿絵のほか、小さい挿絵が何点か入っているページなど、飽きさせないよう丁寧に編集されています。

 文章も難しい言い回しなどは、避けていて、すべての漢字にはフリガナが振ってあり、そもそも難しい漢字は平仮名で書かれています。

 タイトルからして女の子向けとなりますが、おすすめの本です。実は、同時にもう一冊刊行されています。こちらのタイトルは「プリンセスものがたり」。こちらも女の子向けの本となります。

タイトル ひとりよみ名作 バレエものがたり
再話:スザンナ・デイヴィッドソン、ケイティ・デインズ
絵:アリーダ・マッサーリ、訳:西本かおる
出版社 小学館
発売日 2015年11月
価格 1500円+税
判型/ページ数 A5変型判/95ページ
参考URL 小学館

投稿日: 作成者: Pictio Editor カテゴリー: 見つけた新刊絵本

親子で楽しむクラシック(第17回)-バレエ音楽の代名詞、チャイコフスキー「白鳥の湖」

文=飯尾 洋一(音楽評論家)

親子で楽しむクラシック-バレエ音楽の代名詞「白鳥の湖」 世界で一番有名なバレエ音楽といえば、何と言ってもチャイコフスキーの「白鳥の湖」でしょう。バレエと聞いただけで、白鳥の衣装をしたバレリーナの姿を、反射的に思い浮かべる方も、多いのではないでしょうか。

 バレエというジャンル全体のイメージが、この一作品によってどれだけ形成されているかを考えると、改めて感嘆せずにはいられません。

 「白鳥の湖」のような優れたバレエ作品には、二つの楽しみ方があると思います。一つは、舞台上で演じられるバレエとして。もう一つはチャイコフスキーの純然たる音楽作品として、です。

代表的な曲を試聴する(NAXOS MUSIC LIBRARYより)
No. 9. Finale: Andante: The flight of swans http://ml.naxos.jp/track/894212

親子で楽しむクラシック(Pictio) クラシック音楽のファンには、バレエは観ないけれどもバレエ音楽は聴く、という人も珍しくはありません。チャイコフスキーのドラマティックな音楽は、それ自体が表情豊かで、起伏に富んでいます。

 バレエとしても超名作、しかも音楽単独としても、よくコンサートで演奏されるという点で、「白鳥の湖」は稀有な名作といえるでしょう。

 「白鳥の湖」のストーリーは、まるで童話や民話のようによく知られていますが、実はこの物語には明確な原作が見当たりません。チャイコフスキーが作曲し、プティパとイワノフの振付で上演された舞台によって、この物語が世界中に広まりました。

 また、「白鳥の湖」には、いくつものバリエーションが存在します。その意味では、様々な人の手を経て、現在知られるようなストーリーの骨格が定着したといえます。

 現在、知られているストーリーは次のようなものです。王子ジークフリートは、湖で白鳥が美しい娘に姿を変えるのを目にします。娘は自分はオデット姫であり、悪魔によって白鳥の姿に変えられてしまったのだと語ります。人間の姿にもどれるのは夜だけ。呪いを解くには永遠の愛の誓いが必要です。王子はオデットを救おうと決意します。

 翌日、王子は宮廷の舞踏会で花嫁を選ぶように言われます。そこにあらわれたのが、悪魔に連れられたオデットそっくりの娘オディール(黒鳥)。王子はだまされて、オディールに愛を誓ってしまいます。裏切られて嘆き悲しむオデット。王子はオデットに許しを請いますが、悪魔があらわれて、二人を引き裂こうとします。

 そしてエンディングを迎えるのですが、舞台によって結末は違ってきます。王子とオデットが湖に身を投げて天国で結ばれるという悲劇的な結末と、愛の力が悪魔に打ち勝ってオデットは人間の姿を取りもどして二人は結ばれるという、ハッピーエンドがあります。

 不思議なことに、どちらのストーリーであっても、音楽は同じです。音楽だけを聴いているときは、私たちは王子とオデットの運命を自由に想像することができます。この「想像力の余地」こそが、音楽ならではの魅力といえるのではないでしょうか。

タイトル

チャイコフスキー:バレエ「白鳥の湖」全曲チャイコフスキー:バレエ「白鳥の湖」全曲

演奏 指揮:アンドレ・プレヴィン
演奏:ロンドン交響楽団
URL http://www.amazon.co.jp/dp/B000XAMEBU
タイトル

チャイコフスキー:バレエ「白鳥の湖」

演奏 指揮:ヴァレリー・ゲルギエフ
マリインスキー劇場バレエ団
URL http://www.amazon.co.jp/dp/B000RY42GC

投稿日: 作成者: Pictio Editor カテゴリー: 親子で楽しむクラシック