[絵本関連のNews]図書館問題研究会が「CCCの運営する図書館(通称「ツタヤ図書館」)に関する問題についての声明」を発表

文=Pictio編集部

絵本関連のニュース 佐賀県の武雄市で指定管理者として図書館の運営を行っているCCC(カルチュア・コンビニエンス・クラブ)ですが、以前から保存されていた郷土資料の廃棄、購読雑誌の縮小、系列のネット書店からの不適切な本の大量購入と、数多くの問題が指摘されています。

 またこうした問題点が明らかになり、小牧市で計画されている新図書館も計画が見直されるなど、受益者である地域住民からも疑問の声が大きくなっています。

 2015年12月2日、図書館問題研究会は、こうした問題点を踏まえ「CCCの運営する図書館(通称「TSUTAYA 図書館」)に関する問題についての声明」を発表しました。これは、武雄図書館や海老名市立中央図書館の運用状況などを踏まえて作成されたもので、どこに問題があるのかを指摘しています。

 報告書の内容は以下の文章に集約されています。

“CCC に図書館運営を委ねた自治体では、図書館の運営の理念やサービス手法も含めてCCC に丸投げし、CCC も公共図書館運営の理念やノウハウを保持していなかったため、指定管理者制度で考えられる制度上の問題点が噴出するという事態となっている。例えば「TSUTAYA 図書館」独自の分類については、利用者などから分類表の公表を求められると企業秘密のため非公開と答えるなど、利用者が図書館を使うために必要な情報すら公開されない異常な事態となっている”

 少し歴史を踏まえて背景を整理しておきます。図書館などを民間の業者が運営する仕組みは、2003年の地方自治法の一部改正によって可能となりました。それまでは、公の施設の管理は公共団体にしか認められていませんでしたが、議会の議決を得れば民間の事業者やNPO法人でも運営を請負えるというものです。

 日本図書館協会の統計によれば、2014年で全国には公共図書館の数は3248館あります。このうち約430館が指定管理者制度を導入しています。現在までにかなりの実績がある制度です。もちろん批判もありましたが、それは契約形態などの人件費などの問題で、図書館のあり方が問われている今回とは違う内容でした。図書館流通センターや紀伊國屋書店、ヴィアックスなどの民間業者が、図書館の理念を踏まえた運営を行っており、地道に積み上げてきた信用があるからです。

 今回の問題は、図書館の中にスタ-バックスができるとか、借りればTポイントが付くというような単純な問題ではなく、今後、必要な資料が図書館に保存されなくなったり、あるいは、利用者が本当に読みたい本がきちんと揃えられていないという、図書館の本来の役割である「収集、閲覧、保存」という役目を、きちんと提供できない図書館が存在するという可能性を含んでいます。

 たとえて言うと、「大人になるための夜の歩き方-歌舞伎町編」とかというような本が、児童書の棚に並んでいても不思議はない、ということです。実際、武雄図書館とCCCは、不適切な本を購入したという声明を出しています。

 いい図書館には、良い司書の方がいて、所蔵している本も評価を受けていることが多いものです。たとえ、所蔵している本の質がよくない図書館であっても、大人はある程度判断できますし、なければ違う図書館や書店に行けばいいだけの話です。しかし、子供は違います。住んでいる場所から近い図書館しか使えないですし、そこに置いてある本から選ぶのが普通です。不適切な本が普通に置いてあるという事実、きちんとした本を選べていない図書館があるという意味を、子供を持つ大人はもう少し考えたほうがよいでしょう。お子さんは、大人たちを信用して育っていくのですから。

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