書店で表紙を見たとき、ほんわかとした感じの絵本だなあ、と思いましたが、実際読んでみると、その通りでした。背景が白というシンプルな表紙の絵本ですが、本文は暖かく、かつ読み応えがあります。
主人公は動物の医者のアントンせんせいです。アントンせんせいのところには、毎日、動物たちがやってきます。ある日の朝は、まだ寝ているところを起こされて、ニワトリの、のどの調子を見てあげます。次に休む間もなく、熱の出たトラがやってきて、注射して治療が終わったと思ったら、すぐにアゴが外れたワニがやってきます。アントンせんせいには、休む暇もありません。
ご飯を食べる暇もないほど、次から次へと患者がやってくるのに、アントンせんせいは、みんなの話を聞いて、診断を下します。このやり取りの会話が、リズミカルでとてもいいですね。でも、ヤギさんの話を聞いているうちに、なんと、なんとアントンせんせいは。。。
本を読んでいて、一番うらやましいと思ったのは、注射がうまいところでしょうか。どうやらアントンせんせいの注射は、全然痛くないようです。最近は、絵本が充実している病院も増えていますが、こんな絵本が、病院に置いてあったら、先生も、診断も治療も、かなりがんばらないといけなそうですね。
ページ数は、少し多めの32ページ。文章量も少なくはないのですが、あっさりと読めてしまいます。絵と文章のバランスが、良いのでしょう。対象年齢は、読んでもらうなら3歳から、自分で読むなら6歳からとなっています。まぁ、こういう絵本は、読んでもらうのが楽しいですよね。
タイトル | アントンせんせい |
作 | 作:西村 敏雄 |
出版社 | 講談社 |
価格 | 1260円 |
ページ数 | 32ページ |
対象年齢 | 読んであげるなら,3歳から ひとりで読むなら6歳から |