親子で楽しむクラシック(第2回)-クラシックのシーズンは夏

文=飯尾洋一(音楽評論家)

musicicon 学校やスポーツ界などと同じように、クラシック音楽界にも「シーズン」という考え方があります。欧米と同じように秋に開幕する演奏団体も多いですし、日本の学校と同じように春に開幕する場合もありますが、通常、夏場はレギュラー・シーズンはお休みとなります。

 といっても、夏になると演奏会がパタリとなくなるわけではありません。むしろ、レギュラー・シーズンには開かれない、音楽祭やファミリー向けのコンサートなどが盛んに行なわれる時期となります。「親子で足を運ぶ」という観点からすると、8月こそシーズン真っ盛りともいえるわけです。

 8月に開催される親子で楽しめる演奏会や音楽イベントから、いくつか興味深いものをご紹介いたしましょう。8月7日には「フェスタサマーミューザ2011」の一環として開催される、東京交響楽団ファミリーコンサート(川崎市・昭和音楽大学内テアトロ・ジーリオ・ショウワ)がありました。飯森範親指揮東京交響楽団の演奏で「音楽による世界一周の旅」を楽しめるような、バラエティ豊かな曲目が用意されています。本物の(しかも一流の)オーケストラの迫力を体験できるのが最大の魅力といえるでしょう。「フェスタサマーミューザ2011」は川崎市内の各会場で開かれるオーケストラのための音楽祭で、通常の公演は未就学児は入場できませんが、この日は4歳以上から入場が可能です。

2011081301 また、「フェスタサマーミューザ2011」のイベントとして、8月7、8、9日の3日間にわたり、「0歳からのミニコンサート」も開催されました。こちらはコンサートホールではなく、ミューザ川崎内の市民交流室で開かれるもので、パーカッション・グループといっしょに手拍子をしたり、体を動かすといった体験型の企画になっています。

 親子で楽しむコンサートとしては、ソニー音楽芸術振興会による「Concert for KIDS ~0才からのクラシック~」および「Concert for KIDS ~3才からのクラシック~」のシリーズも、好評を獲得しています。日本のトップレベルの音楽家たちが、さまざまな楽器、あるいは歌により、親しみやすい名曲を演奏してくれます。

 「0才からのクラシック」は8月21日に福岡県の北九州市立響ホール、8月27日には宮城県のホテルキャッスルプラザ多賀城、9月3日の神奈川県フィリアホール、10月9日の北海道たかすメロディーホール、10月29日の東京都なかのZEROホールで公演がありますし、「3才からのクラシック」は、2012年1月14日に東京で公演が開催されます。人気のシリーズですので、公演によってはチケットは早めの手配が必要かもしれません。

 各公演の演目を眺めてみますと、いずれも一つの公演なのかで、歌、ピアノ、ヴァイオリン、打楽器といったように、それぞれ響きの質の異なる多彩な編成の楽曲を並べ、飽きの来ないように工夫されていることがわかります。一人の音楽家をじっくりと聴く大人向けのリサイタルとは異なり、多数の演奏家を一度に聴けるのですから、ある意味で贅沢な企画と言えるでしょう。

 夏休み期間中は、多くの音楽団体やコンサートホールが親子コンサートを開催しています。どのコンサートにも「ドレスコード」のようなものはありません。クラシックだからといってかしこまる必要はありませんので、気軽に楽しんでください。

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